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 2008/10/28
「並列アルゴリズムを構築できる人材を」
多数個のCPU使うマルチコア時代へ布石
産学連携の枝廣客員教授、活動本格化

枝廣正人客員教授
枝廣正人客員教授
 情報理工学系研究科は、今年4月から新しい社会連携プログラム「R2P/IST」(Research on Research Program on Graduate School of Information Science and Technology)の第1期研究をスタートさせた。産業界と協力し、ICT(情報通信技術)分野をはじめ、新しい情報システム、新規分野の創出を目的としたもので、下山勲研究科長が「共同研究の次世代モデル」と位置づけている産学連携プロジェクトである。第1期にはKDDI研究所、日立製作所、富士通研究所、日本電気(NEC)、Googleの5社が参加している。

 情報理工学系研究科の産学連携のもう1つの柱が、創造情報学連携講座の運用である。これは、研究科発足時に設置された戦略型IT連携客員講座・バイオ情報処理連携客員講座を2007年度より再編したもので、その最初の客員教員としてNECより招聘した枝廣正人客員教授(コンピュータ科学専攻)が大学院講義を担当し、並列アルゴリズム(プログラムの論理構造)研究で優れた視点を持つ人材育成を目指して活動を開始している。

Map Sortとクイックソートとの比較
Map Sortとクイックソートとの比較
 並列アルゴリズムは、CPUを複数個使うマルチコアシステム時代では、欠かせないソフトウェア技術。CPUは微細化ルールに沿って高性能化し、デザインルール(最小線幅)は45nmから35nm、さらに22nmへと向かっている。微細化により高速化のメリットは得られる半面、リーク電流が増えて、消費電力を下げるのがむずかしくなる。CPUのクロック周波数は、すでに3GHzを超えるほど向上し、これ以上、高速化すると、システム全体の高度な熱対策を講じる必要性が出てくる。この消費電力を下げる策として登場したのがマルチコア。複数のCPUで同時処理を行うことによって消費電力を抑え、かつ高速に実行するシステムだ。このように、マルチコアはシステムやCPU(半導体)の低電力化要請から生まれたものだが、そのためにはソフトウェアの協力が必要である。たとえば、1個のCPUで動くようにつくったプログラムを、仮に4個のCPUシステムに乗せて動かそうとしても性能が上がらない。複数のCPUの性能を効率よく引き出すには、それに対応したアルゴリズムの構築が求められる。

 枝廣客員教授は、NECのシステムIPコア研究所の主席研究員で、アルゴリズム研究のエキスパート。コンピュータ科学専攻の大学院生へ研究アドバイスを始めている。東大工学系研究科計数工学専門課程修士取得後、NECに入社し、LSIを開発するためのアルゴリズム研究を担当した。その後、マルチコア、並列アーキテクチャ研究に従事、多数個のCPUを使い分けながら効果的に処理するアルゴリズム「Map Sort」を開発している。従来、広く使われているクイックソートと比べて、Map Sortは、1つのCPUでは性能が若干下がるものの、複数のCPUを用いた場合の性能向上度(スケーラビリティ)が高く、マルチコアシステムに適している(図参照)。

Map Sortと従来方法のと違い
Map Sortと従来方法のと違い

 サーバーやPC、情報家電をはじめとした高性能組み込み機器はマルチコア搭載へと向かっており、32個、64個、さらには100個を超えるマルチコアシステムの時代では、高度な並列アルゴリズムを構築する必要がある。言い換えると、将来の高性能システム向けのアルゴリズムはスケーラブルが必須の条件で、情報理工でもアルゴリズム、並列アーキテクチャそれぞれについて研究を進めているが、枝廣客員教授は「NECで培ったアルゴリズムの研究資産を大学の教育現場に持ち込み、マルチコア時代における汎用的なアルゴリズムを構築できる研究人材を育て、産業界の要請に応えたい」と意欲的。コンピュータは問題解決のためのマシンで、マルチコアを前提としてアプローチできる人材を増やしていく考えだ。並列アルゴリズム研究は産業界で行うよりも、大学の場で実施したほうが良いという問題意識が客員教授への道につながったようだ。半年にわたって実施した連携講座や関連研究室でのセミナーでは、院生・学生の反応も上々で、これから院生らと共同で研究活動を本格化させる予定。

 情報理工の社会連携プログラムは、情報理工学をプラットフォームに、参加企業との間で「研究」に関する「研究」を創りだす活動を通して次期研究のタネを見いだし、それによってイノベーションを創出するのが目的。枝廣客員教授の活動は、そのモデルケースとなるだけに注目される。



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