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 2008/06/01
『21世紀はロボットの世紀』を演出
知能機械情報学専攻 佐藤知正 教授

「部屋全体がロボット」などアイデアは多彩
競争力を左右するコンテンツの重要さを説く

佐藤知正 教授 「ロボットの役割ですか。『人に役に立つ』『人を知る』『人を元気づける』、この3つでしょう」。佐藤教授のわかりやすい切り口から、ロボットが人にとっていかにフレンドリーなものであるかが伝わってくる。20世紀の産業・社会を牽引した自動車とコンピューターに代わって、21世紀をリードするフラッグシップと位置付けられるロボット。まもなくその開化を告げる「T型ロボット」が登場して本格普及へのステップに乗り、サービスを買うとロボットがついてくるロボット活用時代へと確実にカジを切ると見通す。メカトロニクスで国を建てている日本が国際競争力を維持していくには、ロボット技術しかないと言い切る。「日本の未来はロボットがつくる」との立場から、ロボットをシステムとして幅広く捉えている。その視線はきわめて熱い。

ロボットは若者の理科回帰を促す最適な教材

 「部屋がロボットになる」といったら、イメージが見えないと言われるかもしれないが、少子高齢社会では必須のものになる可能性がある。寝たきり状態になり、世話をしてくれる人が傍にいないと、トイレに行くのも風呂に入るのも困るし、友だちと話をするのに携帯電話がどこにあるか探すのもひと苦労。そんな人のために、必需品ごとにコンテナに詰めて、天井や壁に仕切った倉庫に管理する。それをロボットが持ち運びするのだ。24時間、不満を言わず支援してくれるロボットの部屋は、『環境型ロボット』という新しい枠組みである。日本のモノづくり品質が世界一なのは、作業を極限まで標準化したロボットによる効果でもある。「その良さを取り込んでいけば、整理整頓ロボットだって可能です」

ロボティックルームのコンセプチュアルスケッチ
ロボティックルームのコンセプチュアルスケッチ
部屋がロボットで、中にいる人にサービスをする

 ロボットコンテンツは欠かせない要素の一つ。家庭にロボットが入るとき、一般の家電製品のように、工場出荷段階でサービスの内容をすべて覚えこませるわけにはいかない。家庭環境によって掃除や食器片付けなどのサービスは、その内容が微妙に異なってくる。各家庭内でロボットにサービス内容をチューンナップするようになるので、どれだけカスタマイズできる豊かなコンテンツを用意しているかが勝負を左右する。このロボットコンテンツ、企業間競争に勝ち抜く手段にもなりうる。

 たとえば、建設会社が原子力発電所を受注するケース。設計、建設、運用だけでなく、将来のロボットによる解体まで含めて提案すれば、格段のアドバンテージとなり、技術力をアピールできる。つまり、機械にコンテンツを付加することで競争力がつく。また、掃除ロボットだけでは狭い用途しか考えられないが、ビル丸ごとメンテナンスまで囲い込むと、付加価値をクローズアップできる。

 「マニピュレーションの研究を行うと、手本となる人の手がとても精巧にできているのがわかってきます。認識研究からは人の視覚処理の仕組みを理解できます」。ロボットを研究することは、『人を知る』ことにつながり、機械工学はもとより、心理学、生理学などの学問や、生命、社会を知る道でもあると示唆する。ロボットは若い人たちの興味を惹きつける最適な教材であり、若者の理科への回帰を促すカンフル剤になるという。これらの例は、佐藤教授が研究室で行っているロボット研究を通して、その役割を描写したものだ。

ロボティックルームの第2バージョン
ロボティックルームの第2バージョン
部屋がセンサーのセンシングルーム
その中にいる人の生活パターンをモニターし、異常を検知する

産学連携、次世代ロボット研究の担い手

 ロボット(RT)とITの融合によって新産業の創出を目指しているビッグプロジェクト「IRT」の研究体制が再構築された。情報理工が中心となり、産学連携により2006年9月にスタートした10年計画のIRTは、今年3月、総長室直轄の研究組織「IRT研究機構」として生まれ変わり、機構長に下山勲研究科長、副機構長に佐藤教授が就いた。この研究機構では環境、システム、サイバーインターフェース、制御、デバイス、コンテンツの6研究部門が設けられ、各研究部門は分担してコア技術を開発し、ヒューマノイド、社会・生活支援システム、パーソナルモビリティを実現するミッションが与えられている。独立独歩の性格が色濃い大学の研究室と企業を束ねる実行部隊のリーダーが佐藤教授だ。最終年度を迎える2016年ごろまでにどのような答えを出すかが注目される。

佐藤知正 教授

 その一方で、日本の科学技術政策の決定機関である総合科学技術会議で次世代ロボット連携群のコーディネーター・主監を務め、日本ロボット学会の会長という要職にある。日本のロボット研究のプランニングと方向付けに多大な影響力を発揮し、内閣府の連携施策で推進中のソフトウェアプラットフォーム研究、経産省の知能化モジュールプロジェクトをプロモーションする立場にある。ロボット学会で実施したアカデミックロードマップづくりでは、『人を知る』研究に必要な学問は何かなど、これからのロボティクスを具申し、知能化モジュールプロジェクトでは、研究開発をゼロからスタートするのではなく、見いだした成果を積み上げ、より高いレベルからモジュール開発を行う効率的な研究モデルを追求している。

 研究室、IRT研究機構、総合科学技術会議などで展開しているロボット研究で突破口は見えているのか。「個別技術では見え始めているので、これらを相互連携して実現する仕組みを講じたい」と力強い。

 モータリゼーションの火付け役となった「T型フォード」がお目見えしてから、ちょうど100年。ロボットの歴史はまだ60年くらいだが、ロボットのプラットフォームとなる「T型ロボット」がそろそろ表舞台に登場するころだ。それは掃除ロボットかもしれないと読む。これにTVカメラがついて防犯や防災に使われるようになれば、家電ロボットに変身し、欲しい道具をコンテナから持ち運ぶロボットにも発展する。そして、多彩なロボットが家庭や社会で活動し、ロボット技術を中核としたメカトロニクスが日本の未来を支えるというシナリオが見えてくる。「そのためには、若い人たちのフレッシュな知恵が要るんです。理科離れなんて困るんですよ」。小学生のころ、新聞に掲載された世界初の人工衛星・スプートニク1号の写真を見て、すごい、これからは科学技術の時代だと興奮したのと同じような思いを、若者たちにロボット研究を通して持ってほしい―そう語った教授の顔が、研究者から教育者の顔に変わった。

佐藤・森研究室



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